正木丹波守

夜襲日記~祭りの歴史(八坂祭りと浮き城祭り)~

更新日:

今晩は、
成田家一の家老、
正木丹波である。

IMG_1072梅雨明けの報せが届いたかと思えば、
毎日のように高温に注意されよとの呼びかけも耳にするが、
皆ご無事だろうか。

今週末はいよいよ行田浮き城まつり。
此度の祭りを以って
我々、忍城おもてなし甲冑隊も結成5周年を迎える。

気がつけば「だんべ踊り」が頭の中を流れる今日この頃。
すでに行田市内でも、祭囃子の音が聞こえてくるようになった。

祭りにお越し頂き是非とも、暑さを吹き飛ばしてほしいと思っておる。

この時期、夏の訪れとともに届く報せといえば、
各地で催される祭りの様子もまた。
平安の昔より「祭」といえばこれを指すといわれる、京の祇園祭。
山鉾巡行、一度でいいから見てみたいものだ。

先週、行田市佐間にて行われた佐間天神社八坂祭。
かつての佐間村の鎮守の伝統を受け継ぐ、佐間地区のお祭り。
佐間八坂祭り※先週、密かに夜襲。祭りの様子を見届けた。

忍城攻防戦時、佐間口の守将であった私にとってはいわば古戦場。
攻防戦後開基した高源寺の向かいにある天神社にて行われるこの時期が
私にとっては心和む一時になっている。争いの無い世を願うばかり。

ところで
八坂といえば京の祇園祭が、八坂神社のお祭りだが、
なにゆえ菅原道真公を祀った佐間天神社で八坂祭なのか・・・

これについて、此度はお伝えしようと思う。

都が奈良に置かれるよりも昔、山城国八坂郷に、高句麗の使いをはじめとした
朝鮮半島から移り住んだ人々により牛頭天王(ごずてんのう)がまつられていた。
牛頭天王とは、お釈迦様が説法を行った仏教の聖地「祇園精舎」の守護神。
祇園精舎については、本年注目を集めている平清盛公はじめ、
坂東武者の活躍も描かれている『平家物語』の冒頭、
「祇園精舎の鐘の聲 諸行無常の響あり」を諳んじた方も多いかと思われる。

疫病をつかさどる神とされた牛頭天王。
いっぽう、日の本の神話に登場する「荒ぶる神」スサノオノミコトも
疫病をつかさどる神とされており、両者が「祇園の神様」として習合され、
信仰を集めていた。

平安時代の初め都に疫病が流行すると、この災いの元と考えられた
怨霊を退散させる「御霊会(ごりょうえ)」と呼ばれる祭りが
朝廷によって行われた。その際、諸国の悪霊を移し宿らせる矛を立て、
祇園社よりを神輿を送ったのが「祇園御霊会」すなわち祇園祭の始まりとなった。

神様が祀られているのが神輿である以上、
神輿の渡御こそが神事の中心のはずであるが、
神様を慰め和ますことが御霊会の目的であり、
神様を楽しませるための出し物でもあった山鉾は
町衆による自治の進んだ室町時代に入ると、町ごとに風情を凝らしたものとなり、
見物客の目を楽しませるようになった。

以後、応仁の乱をはじめとした幾度かの戦による中断がありながらも、
千年をゆうに超える伝統こそが、祭りの中の祭りとしてゆるぎない地位を
築いたというわけだ。

また、祭りとともに、信仰を集めた祇園の神様は日の本じゅうに
広まることとなり、スサノオノミコト、牛頭天王を祀ったお社が建ち、
京の祇園社に倣って祭列が行われるようになる。

明治の神仏分離令で、京の祇園社は八坂神社と改められ、
各地のお社もそれぞれ名を改めることとなったが、
夏の祭りは「祇園まつり」や「てんのうさま」等の名にて親しまれ、今日に至る。

そして、こちら佐間の鎮守様にも。
o0366027512087728530※八坂祭り、数年前の様子

この神輿こそが、八坂社である。
神社というもの、祀る神様はひと柱のみならず、時を経てその地に
暮らす人々の願いとともに招かれ、合祀されている。
佐間の村においても、京の八坂より移した神様がおいでだったというわけである。

ちなみに、
この神様、行田でも佐間だけでなく市内各所に祀られており、
忍城下の総鎮守であった行田八幡社にも八坂社があり、
七月二十六日(日)には「八坂祭」として、神輿と山車が出る・・・
浮き城祭り山車※数年前の様子

そう、この祭りは毎年、行田浮き城まつりと合同で行われるのである。
浮き城祭り※昨年の「だんべ踊り」の様子。
だんべ踊りを組み込んでいるところが、行田流の祇園祭といったところだろうか。

祭りの歴史が、行田の歴史にも繋がるのである。

神様の姿は目に見えなくとも、祭りの数だけ、
はるか昔からの願いや思いが今に続くことを
実感する季節ということだろうか。

以上である。
本日はこれにて。よき夜を。

 

正木丹波守利英

追伸

一昨日より本日二十二日(水)まで行田の隣、熊谷市でこちらも八坂神社の祭礼
、「熊谷うちわ祭」が行われておる。
御祭りの規模も「関東一の祇園」と称せれらるだけあって、
山車・屋台は見ものである。
今頃ピークを迎えておる頃だろうか…

Google AdSense

Google AdSense

-正木丹波守

Copyright© 忍城おもてなし甲冑隊 , 2021 All Rights Reserved.